2019/11 Things from Beyond the Sea

2019/11 Things from Beyond the Sea

わたしは、1970年生まれで現在48歳。
この世代は、90年代の雑誌に影響され西海岸文化に憧れを持ちました。それと同時に、日本が生み出した怪獣カルチャーにも大きな影響をうけました。とくに、近年ではハリウッドで何度も映画化されている日本が生んだモンスター、ゴジラは、私が最初に好きになったヒーローでした。同時に、ハリウッドの特撮、SF、ファンタジーの映画、テレビからMTVまで日本のテレビで沢山流れていたことが自分のアイデアの源泉になっており、美意識の一部に昇華しているといっても過言ではないでしょう。
また、21世紀にはいり、タランティーノに代表される欧米のクリエイターたちが、WW II以降の日本文化が好きであることを知り、自分は両国が平和なときの文化を両方享受することがで幸運だったと感じております。
現在の仕事(アート制作以外に、撮影用セットデザイン、立体造形を作る)自体、その影響下にあり、SF的デザインも汚れた塗装も裏路地のセットも、車も好きな色もインテリアも全てハリウッド映画の中に見出してきました。
今回のLAでの展示作品は今まで吸収して来たカルフォルニア&ハリウッドのカルチャーを自己表現した作品群となります。(ニューヨークではなくLAでやる事自体に意味があります)

今回の作品の系統としては
・Gradation & Bokashi シリーズ
・Crumpled & Drip シリーズ
が軸になっています。

Gradation&Bokashi シリーズ

グラデーションの表現の素になっているのは浮世絵。
浮世絵は『ボカシ』を多用して空間を表現する方法を取り入れています。
それをアメリカでカスタムカーの塗装方法として定着しているキャンディカラーの技法と掛け合わせて作品を作りました。
日本の怪獣映画は、公開と同時にたくさんの塩ビ・フィギュアの玩具がたくさん発売された。その特殊な塗装方法を今回アート作品にもとりいれてみた。また、ギークが愛する怪獣映画は正義の味方と悪役の怪獣が戦います。わたしのアートも"対"として表現しています。

Crumpled & Drip シリーズ

この作品は、子どもがするような手法(垂らす、切る、貼る、削る、潰す)をもちいて造形しています。その結果、立体造形物が、塗料をとらすことによって、くにゃくにゃした作品に仕上がりました。スカルプチャーの形をクリアレンジで固めています。Claes Oldenburg、Robert Rauschenberg などポップアートに影響を受けた作品です。
人類も怪獣もみんな海からやってきた。その大事な海の上を軽々とムーブできるサーフ。東京からロスに渡ったわたとの作品をアメリカもみなさんも是非楽しんでください。

玉ノ井 哲哉

1970年生まれ。
農協職員・仏具販売会社・クラブ(踊る方)のオーナーを経て
2000 彫刻、美術デザイン、造形の仕事を始める。
2008 現代美術作家としての活動を開始。

個展

2009 :「夢を見ない午後、、、」MORI YU GALLERY TOKYO
「夢を見ない夜、、、」 MORI YU GALLERY KYOTO
2012 :「空想世界遺産vol,1」MORI YU GALLERY TOKYO

コミッションワーク

2009「旅団エルメッチュ」メゾンエルメスウィンドウディスプレイ、東京



Japanese
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